婦宝当帰膠(フホウトウキコ)
効能効果
更年期障害による次の症状→冷え性、貧血、生理痛、腰痛、肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、耳鳴り
特徴
トウキをはじめ、センキュウ、オウギなどを加えた処方でこれら9種類の生薬を原料とするシロップ剤です。更年期障害の方の頭痛、肩こり、貧血、腰痛、めまい、のぼせ、耳鳴り、生理不順、生理痛、冷え性の改善を目的としております。
冷え、生理痛、生理不順の漢方相談
冷え
冷えは日常的によくみられる症状です。日頃の漢方相談でも、
- 自覚は無いけど体が冷たいと言われる
- 足先が冷えてなかなか眠れない
- クーラの中だと冷える
- 湯船に入ってもすぐに体が冷えてしまう
など季節を問わず「冷え」に関する悩みは非常に多くいです。また、よくある症状なので、他の病気と違って治療というと少し大げさに感じるかもしれません。
しかし、「冷えは万病のもと」とよく言われるように、冷えが原因と成っている疾患は多く、「冷えを改善すること=病気を予防、根本治療する事」につながると漢方では考えます。
漢方では、おもに冷えの原因となる体質を次のように考えます
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血が巡らす冷える瘀血(オケツ)による冷え性
全身の血行がよく無い為に、末端まで良質な血が行き届かず、手足の先の冷えやしびれがみられる状態を漢方では瘀血といいます。
この体質の方は、普段から肩こりや腰痛、頭痛、生理痛など痛みの症状を持っている事が多く、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気の要因にもなります。
漢方薬では、体のすみずみまで血を巡らせ、体を温める働きのある冠元顆粒などを用います
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良質な気血が不足して冷える「気血両虚(キケツリョウキョ)」による冷え
体全体の栄養である「気血」の量が相対的に不足している為、体を温める力が不足している状態です。生理前になると冷えるタイプの女性によく当てはまります。
また、極端なダイエットをしている、貧血気味、普段から胃腸が弱い方も気血が不足しがちです。
漢方薬では、栄養となる気血を補い体を温める、婦宝当帰膠など補気補血の漢方薬を用います。
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体を温める力が低下した「腎陽虚」による冷え性
加齢や病後などは、体を温める「腎」の働きが低下し、腎の陽気(エネルギー)が不足して、お風呂で温めても手首、足首まですぐに冷たくなってしまうような強い冷えを感じます。
腰から下の冷えや腰痛、むくみ、尿トラブル、免疫力が低下し、風邪をひきやすい、疲れやすいのがこのタイプの特徴です。
漢方薬では、不足した陽気を補い体を温める人馬補腎丸などの補陽薬を用います。
生理痛
生理痛は仕方の無い物とあきらめている人も多いと思いますが、体質を見直し、養生する事で根本から改善する事が出来ます。
中医学では生理痛は本来「ない」のが正常だと考えます!
日本では生理痛があるのが当たり前と思われているようですが、中医学では生理痛は無いのが普通だと考えています。生理に痛みがあるということは、なにかの病気やトラブルのサインと捉える事が多いです。
痛みが無く成った、軽減したという声も多く頂いております。お悩みの方は一度漢方薬をためされてみてはいかがでしょうか?
生理痛を漢方で考えると
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気滞血瘀→血の巡りが悪い生理痛タイプ
瘀血の生理痛漢方では「不通則痛(通じざれば則ち痛む)」と言い、血の巡りが悪い状態が続くと生理痛が発生しやすくなると考えます
また、強いストレスを受けると気の巡りが滞り(気滞)、生理の時に腹部の張りや生理痛といった症状が出てきます。
気滞の状態が長く続くと、血の巡りも悪くなり「血瘀」を引き起こし、重たい生理痛につながることもあります。
血や気の巡りが悪いのが原因の為、漢方薬だと「理気活血薬(りきかっけつやく)」という分類の処方の冠元顆粒などを用います
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気血両虚の生理痛タイプ
血虚の生理痛「不栄則痛(栄ざれば則ち痛む)」といい、生命のエネルギーである「気」、体を巡って栄養を運ぶ「血」が不足していると、生理痛が発生しやすくなると考えます。
本来の虚弱体質や慢性疾患、適度のダイエットなどによって、生理に必要な気血が不足すると、子宮に十分なエネルギーが行き渡らず、生理痛が起こります。
生理期間の後半煮2〜3日生理痛が続くのも特徴です。また、体が消耗している為、経血の色が薄く、量も少ない事が多いです。
血や気の不足が原因の為、補気、補血の漢方薬の婦宝当帰膠などを使います。
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寒邪による生理痛→冷えなどによって痛みが発生する生理痛タイプ
冷えの生理痛は、冷房や冬の寒さなど、外から体内に入ってくる冷え、食事の不摂生や服装の不注意(薄着)、陽気不足などにより発生すると考えます。
寒邪が体の中に停滞すると子宮が冷えて血の流れが悪くなり、生理痛の原因と成ります。このタイプはとにかく体を温めてあげる事が大切です。
漢方薬は、外から入る冷えを発散し、子宮を温めて血の巡りを良くする漢方薬の婦宝当帰膠などが用いられます。
生理不順
生理不順は、生理トラブルの中でも非常に多いお悩みのひとつです。
生理不順には、「生理が早まる、遅れる、いつ来るかわからず不規則」といった「周期」の異常と、「経血の量が多い、無い、生理中以外にも出血がある、だらだら続く」といった「量」の異常があります。
毎月きちんと同じ日に生理が始まらないと心配になる方がいらっしゃいますが、25日〜38日の間に来れば、1週間程度のズレは生理不順にはあたりません。また、周期が39日以上でも、排卵があり定期的に生理がくれば問題無いとされています。
生理不順を漢方で考えると?
漢方では、生理不順は「血の道」と言われ、良質な血液を増やし子宮や卵巣に十分な栄養が行き届いている環境である事が基本です。
漢方で考える生理不順のタイプ
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子宮や卵巣が栄養不足で周期が乱れる「気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ
気血は生理の原料です。気血が不足した状態が続くと、卵巣や子宮に十分な気のエネルギーと良質な血が届かず、よい卵が育たず、排卵もうまくいかなくなり、生理不順になりやすくなります。
子宮内膜の暑さや柔らかさにも影響し、結果、生理不順や不妊の原因となります。気虚が強いと生理が早まり、血虚が強いと生理が遅れ気味になる傾向があります。
漢方薬では、気血を補い、卵巣や子宮の働きを助ける婦宝当帰膠などを用います。
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生理周期がバラバラで排卵が予測出来ない「気滞(きたい)」タイプの生理不順
ストレスなどで自律神経のバランスが崩れたり、過度の疲れが溜まっていると、気の流れが滞り、体全体の流れに影響を与えます。
気滞の状態が続くと「張る、悶々とする、痛む」の3症状が出やすくなります。
女性ホルモンのバランスが崩れやすくなり、生理前のイライラや胸の張り、お腹の張りなどの不快症状を感じやすくなります。生理不順になりやすく、基礎体温の変動が激しくなる事もあります。
漢方薬では、気の巡りを整え、生理周期を安定させる逍遥顆粒などを用います。
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子宮や卵巣の血流が悪く周期が遅れる「瘀血(おけつ)」タイプの生理不順
瘀血は滞った血の事で、瘀血によって生理が順調に来ない事も、また生理不順や無排卵、生理痛などの痛みの症状、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫なでの婦人科疾患が生じやすくなります。
漢方薬では、血の流れを良くし、スムーズな排卵を促す冠元顆粒などの活血薬を用います。
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血に熱がこもって周期が早まる「血熱(けつねつ)」タイプ
血熱とは精神的に興奮状態が続いたり、お酒や脂っこい物、辛い物の取り過ぎ、体が熱っぽいなど血液が熱を持った状態です。
血熱により、血の動きが活発になって生理が早くなるなどの生理不順、経血の量が多い、不正出血などがよくみられます。
漢方薬では、血熱をとる清営顆粒などを用います。
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卵巣機能の低下でなかなか生理が来ない「腎虚(じんきょ)」タイプ
年を重ねるにつれて卵巣機能や女性ホルモンの低下がおこります。けれど、生理やホルモンに関係のある腎の充実度合いで、低下スピードに差がでます。
腎虚では、生理をおこす力が不足している為、数ヶ月生理が来ない場合もあります。
漢方薬では、ホルモンや生理機能など腎の力を補う人馬補腎丸などの補腎薬を用います。
お客様の症状、体質により使う漢方薬、組わせる漢方薬が変わります。